加工食品の裏ラベルを見ていると「たんぱく加水分解物」ってよく目にすることが多いと思います。

「たんぱく加水分解物」は食品に強いうま味とコクを与えてくれる原材料です。

言葉のイメージとして、たんぱく質に水を加えて分解したものか...
と思っている人もいるのではないでしょうか。

一般的な製法として、肉や魚、大豆や小麦などの原料に塩酸を加えて、たんぱく質を分解しアミノ酸を作り出してから水酸化ナトリウム等のアルカリで中和します。これで出来上がるのが「アミノ酸液」で、それを粉末にしたものが「たんぱく加水分解物」なのです。

原料が肉や魚、大豆などの食品のため、食品添加物ではなく食品扱いです。何のたんぱく質を分解したかで、うま味やコクの種類も変わってきます。肉や魚などの動物性を使用した場合は洋風のうま味やコクになり、大豆や小麦などの食物性を使うと和風のうま味やコクになります。

ここでよく問題視されるのが、塩酸分解するときに脂質と塩酸が反応を起こして意図しないクロロプロパノール類(3-MCPD1,3DCPなどの塩素化合物)という発がん性物質が出来て食品中に残ってしまうことがあるのです。EUやアメリカでは規制の対象になっており、EUに輸出した加工食品がMCPDの濃度が高いとして輸出できなかった事例も出ています。

 添加物イメージ

また「食塩」「調味料(アミノ酸等)」とあわせて「たんぱく加水分解物」使うことで、さらに強いうま味を出すことが出来ます。この強いうま味に慣れてしまうと食材本来のうま味を感じづらくなってしまいます。強いうま味が習慣になってしまうと添加物からのリスクも高まりますし、生活習慣病のリスクも高まってしまいます。

この「食塩」「調味料(アミノ酸等)」「たんぱく加水分解物」の3種をベースにして香料や○○エキスで風味を付けた食品は、非常に多くあります。出汁、スープ、つゆ、たれ、即席麺、お菓子...数えればきりがありません。こんな商品にも使われているのかと驚くことも多々あります。

インスタントラーメン

「食塩」「調味料(アミノ酸等)」「たんぱく加水分解物」+「○○エキス」を使えば、本来の原材料を使わなくて、それなりの味を作り出してしまうことが出来るのです。残念ですが、鰹節を使わなくても鰹出汁が出来てしまうのです。

 

またこのような添加物は、原材料に遺伝子組み換え作物が使用されていたとしても表示する必要がありません。たんぱく加水分解物の場合でも原材料に遺伝子組み換えの大豆や小麦を使用しても表示されることはありません。

 

このような「たんぱく加水分解物」「調味料(アミノ酸等)」を完全に摂らずに食生活をおくることは非常に難しいと思います。これでもかというほどに様々な食品に使用されているので、完全に添加物を避けるとなると経済的な負担も大きくなります。

 そんな方は、少しでも自炊する回数を増やしたり、まずは調味料だけでも添加物が使われていない商品を選んだり、自分が出来ることから始めてみると良いと思います。

 添加物を使用した商品は、便利で簡単で安価なものが多いです。ただそのメリットの裏には、リスクがあることも理解した上で、日々の食品の選択してほしいと思います。

【関連リンク】
調味料(アミノ酸等)の真実
http://oridge.livedoor.blog/archives/6133662.html